子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。
大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。
というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。第35回は、レオ・レオー二作・藤田圭雄訳『あおくんときいろちゃん』です。
1988年初版の絵本です。
ストーリーはこんな風。
あおくんにはおともだちがたくさんいます。
いちばんのなかよしはきいろちゃん。あおくんは、ママから「おするばんたのむね」といわれたけど、きいろちゃんと遊びたくなり、きいろちゃんを探しに行きます。とうとう出会うことができた2人は、嬉しくてくっつき、みどりになりました。
そして、それぞれのおうちに帰るのですが、色の変わってしまった二人は「おや、うちのあおくんじゃないよ」「うちのきいろちゃんじゃないよ」とママやパパに言われ・・・
絵具で描かれたような、切り絵のような「まる」のあおくんときいろちゃんが活き活きとお出かけをし、赤や白、茶色などの色とりどりのお友達と遊び、喜んだり楽しそうにしたり、シンプルな丸の中になぜだか表情が見えてくるようで、不思議。さすが、レオ・レオニさん!と言えるかもしれません。
途中であおくんときいろちゃんが混ざるとみどりになる。
じゃあ、あかとあおが混ざったら? じゃあ、あかときいろが混ざったら? 実際に絵の具などで試してみたりと、このお話をきっかけに創造性が広がります。
まったく違う2人が出会ったことで、まったく違う可能性が生まれる。まさに人との出会いって、こういうことなのかもしれませんね。