以前、魚屋さんの新しいあり方として紹介した記事「雑貨屋さんみたいだけれど魚屋さんだよ」に続き、今回はこれからの「お肉屋さん」をご紹介。
ヨーロッパでも歴史ある建物が街に残り、日本からも観光で訪れる人たちが多い街、プラハ。
プラハの中心街に昨年オープンしたお肉屋、Naše Maso(facebook)は、精肉が販売されているだけでなく、おいしいソーセージ、サンドウィッチなどのデリカ、ワインや名物のチェコ産ビールなどの飲み物が一緒に楽しめる小さなビストロを兼ねたハイブリッドな肉屋さん。
外観をみるだけで、日本でイメージする「お肉屋さん」とは全く異なり、これまた雑貨屋さん、レストランのようにデザインされた店構え。
お店のデザインを担当したのは、Michaela Tomišková DechemとSimon Brnada。タイルに描かれたイラストレーションは、グラフィックデザイン事務所の「Najbrt」。
お水を注ぐスペースや、手の洗い場がクールなサインによって描かれていますね。ちょっとしたことですが、ストリートでカジュアルな雰囲気を演出するのに一役買っています。
Naše Masoの若亭主・František Kšána Jr.は同じくお肉屋だった父の仕事を13歳の頃から手伝い、父の下で修行した後、このお店をオープンさせました。
取り扱っているお肉たちは全て地元の小さな酪農家から納品していて、自分の目で実際の農場を見てまわり、動物たちにとって良い環境で、出来るだけ良い方法で育てられているかを確認し、納得した上で選んでいるそう。
そして、大切な命をもらっていることを忘れないために、可能な限り多くの部位を使用し、精肉としてまたはデリカに変身させて、お客さんに提供する姿勢をもった、若きお肉屋。
マスタードと一緒に温められたソーセージ(冷たいのもあります)とパンが添えられた一皿はシンプルながらも、ビールに良く合う鉄板料理。パテとピクルスはワインとの相性が最高なこと間違いなし。
肉厚の牛肉パテのサンドウィッチは、見ただけでお腹が空いてきますね。どれも定番でシンプルな料理ですが、新鮮でおいしいお肉を知り尽くしたお肉屋さんが作っているので、何度もリピートしたくなる飽きないもの。
昨年オープンしたばかりだけれど、既に地元では人気のお店となっていて、ランチや仕事帰りに寄って食べたり飲んだりするひと、一緒にお肉を買っていくお客さんがたくさん。
従来通り、精肉と少しのお惣菜を販売するお肉屋さんではなく、ちょっと立ち寄りたくなるカジュアルでカッコイイデザインが施された店内、そして「外食」する場所としても楽しめるビストロ、もちろん本来のお肉屋としての精肉コーナーもある「Nase Maso」。
若い世代から上の世代まで楽しめるお肉屋さんは、次世代のお肉屋さんなのでは。