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フランスの冬の旬といえば、牡蠣。フランス語で、huîtres(ユイットル)といいます。基本的に生食文化のないフランスで、牡蠣だけは生のままがほとんど。

パリではいま、市場や魚屋はもちろん、レストランやカフェの軒先でも、牡蠣が販売されています。牡蠣がもっとも消費されるのは12月24日のクリスマスイブ。その日の市場や魚屋さんには、注文しておいた牡蠣や魚介類の盛りあわせを引き取りにやってくる客でごった返すのだそうです。

フランスの牡蠣は殻ごと販売されていますが、殻を開けるにはコツが必要です。牡蠣の殻を開ける職業(écailler/エカイエ)があり、購入する時にあけてもらえます。それほど牡蠣はフランス人にとって特別なのでしょう。

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マガキか、ヒラガキか?

大抵の場合、選択肢は限られます。フランスの牡蠣の98%近くがマガキで、ヒラガキ(丸型)は希少で値段も高めです。

細長くてでこぼこしたマガキが、huîtres creuse(ユイットル・クルーズ)。平たくて丸いヒラガキはhuîtres plate(ユイットル・プラット)と言います。後者はフランス原産で、Belon(ブロン)とも呼ばれ、いまでは数が少ない貴重な牡蠣だそう。

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こちらがブロン。見かけたら是非試していただきたいです!


牡蠣には番号がついている?

マガキには1番から5番まで、ヒラガキには000番から6番まであります。

これは殻の大きさで、000番が最大で6番が最小。レストランで初めて見た時、よく分からないのでおすすめでオーダーし、結局何番を食べたのか分からなくなってしまいました。果たしておいしいのはどの大きさなのか。食べ比べるのも楽しいですね!

マガキは殻の大きさに加えて、身の大きさで選ぶこともできます。養殖場で1年間育てたものを、Fine de Claire(フィーヌ・ドゥ・クレール)、3年間育てたものをSpécial(スペシャル)と呼び、後者が最も肉厚です。

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マガキの主要産地はフランス北西部沿岸、地中海沿岸。ヒラガキは主にブルターニュ地方で養殖されますが、地中海産もまれに見かけるそうです。色々な牡蠣を試してみましたが、どれも味が濃厚でとてもおいしかったです。

また、牡蠣には女性に嬉しい美肌効果があります! 特に注目なのが「亜鉛」をはじめとしたミネラルが豊富なこと。

亜鉛には細胞分裂を活性化させ皮膚の再生を促進する効果があり、肌荒れの改善やアンチエイジング効果、シミなどの改善が期待できます。その他アミノ酸やビタミンも多く、高たんぱく質なのに低脂質で太りにくいのも魅力の一つ。

亜鉛の吸収を助けてくれるのはクエン酸を代表とする酸やビタミンC。レモンを絞るのは、おいしさだけでなく理に適っているのですね。

白ワインと共に牡蠣を食す。なんて幸せで贅沢なのでしょう!

在日フランス大使館
wikipedia
LBR

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