2015年の1月5日から改修工事にはいってしまう森美術館。現在開催中の「リー・ミンウェイとその関係展」は作家の名前が冠になってはいるものの、通常の展覧会とはちょっと異なっています。

美術館の中で寝泊まりするプロジェクトがあったり、ある部屋にあるタイミングで行くとホストが出迎えてくれたり。それ以外にも、様々なイベントやプロジェクトが準備されています。

いったいどんな展覧会なのでしょうか。そのレポートをお伝えします。

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入口からすぐの開けたスペースで行われているのは、<プロジェクト・繕う>

これは観客が美術館に持ち込んだ衣服や布を、アーティストやホストが繕うというもの。壁に取り付けられた色とりどりの糸は、繕った衣服などと繋がっています。

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個人的に興味深かったのは、<石の旅>

作家が、ニュージーランドの川のほとりで拾ってきた氷河期の石と、同じ形のブロンズの彫刻を制作。この作品をコレクションした人は、どちらかを捨てなければならないというものです。

本物とレプリカ、自然と制作した彫刻。そのどちらに我々は価値を見いだすのか、捨てるまでの間はもちろんその後もきっと、その判断は正しかったのか、どうしてそうしたのか、ずっと考え続ける。そんな作品です。

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<ひろがる花園>は会場にある生花を持ち帰ることができます。

でも、必ず帰りの途中に出会った知らない人にその花をプレゼントしなければなりません。ギフトを与えることの意味に悩んで、知らない人に声をかけるきっかけ、その体験が鑑賞者に与える影響こそが、作家からのギフトなのだと思います。

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<布の追想>では、ステージに置かれた箱を開けると、その中に仕舞ってある手作りの洋服や人形と、それらに纏わる誰かのエピソードを読むことができます。

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<砂のゲルニカ>はピカソのゲルニカを砂絵で描き、会期中の11月16日にはその上を観客が歩くことができるプロジェクト。たった1日のパフォーマンスが、消失していくイメージにあわせて無常観を伝えるのです。

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<ソニック・ブロッサム>は予告無しに開催されるパフォーマンス。

選ばれた来場者1名に向けて、歌曲が贈られます。

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<プロジェクト・ともに眠る>は、美術館に泊まるプロジェクト。

しかもともにするのは知らない誰か。非日常の場所で初めて会う人と関係性や、信頼といった概念について考えることでしょう。



リー・ミンウェイが創り出すものは、一般的にリレーショナル・アートと呼ばれ、作品の内容や形式よりも「関係(relation)」を重んじる芸術です。

森美術館で作品に参加することによって、鑑賞者は小さなこと、はたまた大きなことに気づき、考えるきっかけを得るのではないでしょうか?

ぜひ美術館の帰りに、知らない誰かに花をあげてみてくださいね!

[リー・ミンウェイとその関係展]
~参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる~
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
会期:2014年9月20日(金)- 2015年1月4日(日)
開館時間:月・水~日曜日10:00~22:00 火曜日 10:00~17:00
(いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
入場料:一般1,500円、学生(高校・大学生)1,000円、子供(4歳-中学生)500円
※表示料金に消費税込
※上記の入館料で同時開催の「MAMプロジェクト022:ヤコブ・キルケゴール」展、展望台 東京シティビューにも入館いただけます。

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