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ここ数年、日本国内の各地でアートイベントが開催されています。

代表的なもので言えば、今回で5回目となる横浜トリエンナーレ「ヨコハマトリエンナーレ2014」は連日多くの来場者で賑わっているようです。

そんな中、日本のエーゲ海と呼ばれる岡山県・牛窓(うしまど)では、切れかかった日本の現代アートの糸を繋ぎ直すようなアートイベントが開催されています。

牛窓・亜細亜藝術交流祭」は1984年から9回に渡って開催された「JAPAN 牛窓国際芸術祭」の遺産と精神を引き継ぐかたちで復活したイベントです。

あまり知られてはいませんが、「JAPAN 牛窓国際芸術祭」では当時まだ若かったマリーナ・アブラモビッチやダニエル・ビュラン、蔡國強、アニッシュ・カプーアなど、現在では大御所と言われる作家たちが現代アートの種をこの地に蒔いていったわけです。


マリーナ・アブラモビッチがパーフォマンスをした跡。
遺された石碑には「夜の海を渡る」の文字が刻まれている。

それから20年…切れかかっていたと思えた糸を手繰るように、当時の若手が大御所へと育っていったように、「牛窓・亜細亜藝術交流祭」は現在の若手を大きく羽ばたかせることを見据えたアートイベントとして復活しました。今回の参加作家は、 Chim↑Pom、Nam Hyojun、有賀慎吾、伊東宣明、遠藤一郎、久保田厚子と教え子達、林千歩、松井えり菜。


©Chim↑Pom 【GOLD EXPERIENCE】
※こちらの展示は8月31日で終了となります。

邑久駅前の大型スーパーマーケット、YOU ME タウンの駐車場に突如出現した巨大ゴミ袋!

ゆめタウンにゴミ袋というこの写真だけでも充分なインパクトですが、この中に地元の子供達や中高生が次々と吸い込まれていくわけです。 出てくるときは皆口を揃えて「楽しかった〜」って。



海の近くのシーサイドホールでは、3名の映像作家が展示しています。


©伊東宣明 【生きている/生きていない】

海をバックに、裸で肉の塊を叩き続ける映像作品。自らの心拍に合わせて肉を叩くそのリズムは、修行僧のようにも見え、観ている者はリズムの心地よさで眠りに誘われます。


©有賀慎吾 【parallax ego】

黄色と黒の双子?の空間で、どうやら同時に反対の意味の言葉を発している様子。最初は意味を聞き取ることに集中してみるけど、途中からどうでも良くなってくるような…でも僕らのどんな発言も常に矛盾を含んでいるなぁ。


©林千歩 【もうないかもしれないよ】

地球に扮した作家が何かと格闘しているような映像。一見すると奇天烈な印象が強いんだけど、淡々と語られるナレーションが懐にストンと落ちてくる不思議。


©Nam Hyojun 【牛窓の地上絵】

かつて「JAPAN 牛窓国際芸術祭」の場であった牛窓オリーブ園からは、海や町が一望できます。実際は20mを超える巨大な地上絵も、この広大な景色の中では小さなもの。でも、心には大きなインパクト。


©松井えり菜 【瀬戸内とウーパールーパー】

オープニング会場で野外展示されていたこちらの作品は、9月2日から瀬戸内市立美術館で「JAPAN 牛窓国際芸術祭」に出品されていた服部コレクションと共に展示されます。名作達に引けを取らない確かな力強さ。



地元の岡山県立邑久高等学校と協力して「夢」をのせて連凧をあげるのは、遠藤一郎さん。高校生と共に、長島愛生園の入所者の分まで凧を制作するそうです。パフォーマンスは9月13日に邑久高等学校で、9月14日には長島愛生園、邑久光明園で開催されます。

いずれの展示も「現代アートなんてよくわからないよ」って言いながらも、体感した後には「おぉー、よくわからなかったけどスゴいね」とか単純に「楽しい〜」となって帰っていく人たちを多く見かけます。そんな姿を見ていると、アートって説明する前に感じてもらわないと始まらないんだと、とつくづく感じました。

芸術祭は9月14日まで開催されていますので、機会がある方はぜひ、風光明媚な牛窓をアートと共に楽しんでください。


最後のおまけは、アニッシュ・カプーアの作品が埋まっているかも?の跡。

[牛窓・亜細亜藝術交流祭]
会期:2014年8月17日(日)- 9月14日(日)
参加作家:Chim↑Pom、Nam Hyojun、有賀慎吾、伊東宣明、遠藤一郎、久保田厚子と教え子達、林千歩、松井えり菜
お問い合せ:牛窓・亜細亜藝術交流祭実行委員会事務局 / tel : 0869-34-2010
website:info@ushimado-asia.com

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