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ウディ・アレンがポン引きでジョン・タトゥーロがジゴロ!? そんな奇想天外なストーリーが展開する映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』が、公開中です。

ニューヨークを舞台にした今作は、店が潰れた本屋の主人(アレン)と花屋でバイト中の冴えない男(タトゥーロ)が、ジゴロ・ビジネスを開業するところからスタート。

アレンが14年ぶりに自身の監督作以外への出演を果たしたことや、シャロン・ストーンやヴァネッサ・パラディといった魅力的な女優陣も話題の、大人のラブストーリーです。



ルーミーは今作の監督・脚本・主演を務めた名優ジョン・タトゥーロにインタビュー。多忙なスケジュールの合間をぬって、はるかイタリアから電話で質問に答えてくださいました。

──もしもし、こちらは東京のルーミーです。

もしもし、こちらはジョンだよ。元気かい? 映画は大きなスクリーンで観たのかな?それともDVDで?

──大きなスクリーンで観て、何度もクスクス笑ってしまいました。

良かった! 制作もすごく楽しかったよ。



──ウディ・アレンとジョン・タトゥーロがジゴロ・ビジネスを開業するという今作のストーリーは、どのように思いついたのですか?

ずっと前から、ウディと一緒に何かやりたかったんだ。彼も僕も、お互いの間に化学反応が起きるのではないかと感じていたんだよね。

ウディと同じ年頃の友人が書店を閉店した時に、もしそういう男がいたとして、もの静かだけど自信のある男が彼の下で働くっていう設定はどうだろう?って考えたんだ。それで、その2人がセックスビジネスを開業するというストーリーを思いついたのさ(笑)

セックスビジネスは、日本を含め各国の映画で取り上げられてきたテーマだと思う。その多くはコメディではなく、もっとドラマティックに描かれているけれどね。

溝口(健二)だって(フェデリコ・)フェリーニだって、みんな撮っているだろう? 僕はそういった作品が好きだし、それに『真夜中のカーボーイ』も好きなんだ。



──ストーリーを思いついた時、理髪師さんに話したそうですね?

そうなんだ。僕とウディは同じ男に髪を切ってもらっていて、その理髪師が僕の話をウディに伝えたんだよ。ウディは「良いアイディアだな。ジョンに電話するように伝えてくれ」って言ったらしい(笑)それで僕が書いた脚本をウディが批評するということになった。

脚本を書き上げるまでには時間がかかったけど、その2年間でお互いをよく知ることができて、親しい間柄を演じる上でとても役に立った。劇中では、現実の僕らの友情を少しだけ見てもらえるんじゃないかな。

──脚本を執筆している段階で、ウディからはどのような批評をもらいましたか?

最初は本当に容赦なかったよ(笑)僕自身がストーリーを探っている状況だったし、ウディが何をしたいかも探っていたんだ。

ウディからは作品にコントラストを持たせるように言われた。クレイジーなアイディアから始まるけど、物語が進むにつれてディープになっていくからね。

彼は決して「こうしろ」とは言わなかったけど、何が気に入って、何が気に入らないかを話してくれた。驚くことに、彼自身の役は最初から気に入ってくれたみたいだよ (笑)



──ウディ・アレンが“ポン引き”役とはクレイジーなアイディアに聞こえますが、彼の演技はとてもさりげなくて自然でしたね。ウディ・アレンを演出するのはどんな気分でしたか?

最初の一瞬は少し緊張したよ。ウディに指図しないといけないのか…と思ってね。彼の方も、台詞が多かったから緊張していたらしい。でも30分もしたら大丈夫だったよ。

ウディはきちんと整った仕事環境を求める人で、それは僕も同じ。彼は現場入りしたらすぐに始められる準備ができていて、僕もそういったやり方が好きなんだ。

──あなたが演じたフィオラヴァンテは、“ジゴロ”と聞いた時に想像する典型的な男ではないですよね。もの静かだけどなぜか魅力的なフィオラヴァンテを、どのように描こうと考えていましたか?

日本にいる君と話しているから言うわけではないけど、僕が考えていたのは、遅れてきたサムライのような男だったんだ(笑)刀を持っているわけではなく、花屋で働いているサムライだよ。

彼は野心的ではないけれど自信は持っている。決してイケメンではない普通の男だけど、女性の扱いには慣れているんだ。それに良いリスナーでもある。

サムライ映画やカウボーイ映画では、登場人物はあまりしゃべらないだろう? 今作は舞台が現代の世の中だから、人を殺したりはしないけどね(笑)



──フィオラヴァンテが恋におちる、厳格なユダヤ教徒の未亡人アヴィガルを演じたヴァネッサ・パラディも素晴らしかったです。

彼女は素晴らしいよね。まるで花が開くように自分の殻から出て来るんだ。彼女は本当に美しい演技を見せてくれた。非常に繊細で、あんな演技ができる人を見つけるのは難しいものだよ。彼女の今作でのパフォーマンスは大きな発見だったと思う。

──あのような演技を引き出すために、どのような演出をしたのですか?

撮影前に衣装合わせをしたり、ウィッグを選んだりして、一緒に時間を過ごした。そしてヴァネッサは、ユダヤ教徒の女性に会ったり、ユダヤ教についての本を読んだりしていた。とても感傷的な女性で、役にも深く共感できたようだ。

ウディなんて、ウィッグを着けたヴァネッサが誰だか分かっていなかったんだよ。本物のユダヤ教徒だと思っていたらしい。「彼女は本当に厳格なユダヤ教徒だね」って言うから、「ウディ、それは違うと思うよ」って言ったよ(笑)とにかく、ヴァネッサの演技はものすごくスペシャルなものだと思う。



──監督・脚本・主演と3役をこなしていますが、ご自身の監督作品で演じるのはどのような感覚でしたか?

スケジュールがタイトな日は、ちょっと頭がおかしくなりそうだったよ。でも僕は十分に準備をしていたし、撮影監督や衣装デザイナーは長年の友人だから、とても頼りになったんだ。それにウディに言わせれば、(自分が監督をすれば)「話さないとならない相手が1人減る」ってわけさ(笑)

──私たちには映画でのウディのイメージしかないのですが、普段の彼はどんな人なのですか?

ウディはとてもシリアスな男だよ。明らかにすごく面白い人なんだけど、自分では面白いことをしているつもりはないんだ(笑)1、2本映画を作ることができるコメディアンはたくさんいるかもしれないけど、ウディはスクリーンを支配できる存在感の持ち主だと思う。

シリアスでタフで、何かを恐れているような男ではないんだ。もしかしたら怖いこともあるのかもしれないけどね。でも、あれほど素晴らしいキャリアを築いている人だ。彼との仕事は本当に楽しいし、またぜひ一緒にやりたいよ。



──ウディにストーリーを話した理髪師さんには、完成した映画を見せましたか?

イエス! 彼は喜んでいたし、ウディも喜んでいたよ。ウディにラフカットを見せた時、「おめでとう、期待していたよりも、さらに気に入って驚いたよ」って言われたんだ。

「劇中のご自分は気に入ったかい?」って聞いたら、「僕は自分が大好きなんだ。いつでも自分が大好きなんだよ」って(笑)でも、自分の演技を何度も観るのは嫌みたいだけどね。

──最後に、これから映画を観る日本のファンにメッセージをお願いします。

ぜひ映画を観て、僕の心持ちを感じてくれたらうれしいね。僕は日本映画が大好きなんだ。次回はぜひ日本に行きたいと思っているよ!


『ジゴロ・イン・ニューヨーク』
監督・脚本:ジョン・タトゥーロ『天井桟敷のみだらな人々』
キャスト:ジョン・タトゥーロ、ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、シャロン・ストーン、ソフィア・ベルガラ、リーヴ・シュレイバー
TOHOシネマズ シャンテ他全国公開中
©2013 Zuzu Licensing, LLC. All rights reserved
ジゴロ・イン・ニューヨーク』[GAGA]

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