朽ち落ちた天井と緑の浸食が、その土地が廃墟となるまでの永い年月を物語っています。
まるでジャングルの奥地のようなこの土地、実はニューヨークにあります。マンハッタンのすぐ近く、イースト・リバーのブロンクスとライカーズ島の間にある「ノース・ブラザー島」です。
フォトグラファーのChristopher Payneは、ニューヨーク市に特別な許可を取り、5年をかけてこの島を撮影しました。
島からは、川の向こうのニューヨークの街を眺めることができます。
ノース・ブラザー島には、かつて伝染病患者のための隔離病棟が置かれていました。その後薬物患者のリハビリセンターとなりましたが、1960年代に閉鎖されて以降50年以上放置されてきました。
Even though visually you have that connection to the city and you can still hear things—I could hear the Mister Softee truck sometimes—there’s still this sense that you’re disconnected,
視覚的には(ニューヨークの)街とつながっているし、(街からの)物音だって聞くことができる ― ときにはミスター・ソフティ(ニューヨーク名物のトラック販売アイスクリーム店)の音楽も聞こえてくるかもしれない ―。それでもなお、ここでは隔離されていると感じるんだ。(筆者訳)
大都会のすぐそばで、ひっそりと時を重ねていったノース・ブラザー島。かつては人々に利用されていた島も、いったん人間の手を離れるとそこは植物や動物たちの楽園となります。美しさの中に、わたしたちへメッセージがつまった写真です。
これらの写真は写真集として発売されており、こちらから購入できます。