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6月28日に公開される最新監督作品『her/世界でひとつの彼女』をひっさげて、4年半ぶりに来日を果たしたスパイク・ジョーンズ。ルーミーは来日中にApple Store, Ginzaにて開催されたイベント「Meet the Filmmaker」に潜入してきました。

「Meet the Filmmaker」は、第一線で活躍する映画作家の生の声が聞ける人気イベント。この日はスパイク自らが新作について語るということで、会場には大勢の取材陣やファンが集結しました。



登壇したのはMCを務めた野村訓市とスパイク、そして衣装デザイナーのケイシー・ストーム。日本が大好きだというスパイクは、過去に撮影を行ったこともあるそうで、「1995年にエラスティカっていうバンドのミュージックビデオ(「Car Song」)を撮って、東京の街を35mmカメラを持って走り回ったんだ」と懐かしそうに語っていました。



映画はそう遠くない未来のロサンゼルスを舞台に、AI(人工知能)型OSのサマンサと恋に落ちる主人公セオドアの物語。斬新なアイディアでありながら、どこにでもある恋する気持ちが繊細に描かれた、感動のラブストーリーです。



「声だけの存在であるサマンサを、欲望や不安や自己疑念を持つ完全な存在として描くことが最大のチャレンジだった」とスパイク。

「僕らは視覚的にどうやって彼女を描こうかたくさん話し合った。そして、セオドアのアップを撮ったり、彼女の発言によって彼が想像することや、思い出す過去の記憶、彼の視線の先にあるもののカットを入れるという視覚的言語を作り出したんだ」



「そもそも親密な人間関係というものは、その大部分が僕らの頭の中で起こっていること。だから、それは理にかなった視覚的言語だった。誰かに夢中になっている時も傷ついている時も、それは自分の中で起こっていることで…一緒にいない時は相手のことを考えるしね」



サマンサをAIにした理由は、「人とテクノロジーの関係を描こうと思ったわけではなくて、人間関係を描く上でのセッティングに過ぎなかった」とのこと。「今はテクノロジーのせいで親密な人間関係が築けないと言われている。でも10年前や20年前、100年前にだって、人は何かしらの言い訳で他人と心を通わせることを避けていたんだと思う」と説明しました。

「現代社会に生きる僕らは忙しくて、たくさんのコミュニケーションを強いられ、膨大な情報を吸収しなければならず、強烈な生活を送っている。それでも僕らにとっての挑戦は、大切な人たちに、いかに自分をさらけ出すかということに変わりないんだ」



セクシーさが魅力でもあるスカーレット・ヨハンソンを声だけのサマンサ役に抜擢したのは、「その肉体を外しても、自信があって、自分を持っているところが彼女の魅力だから」。実際にスカーレットはローマ国際映画祭にて、声だけの出演では史上初の最優秀女優賞を受賞しています。

また、スパイクは今作で第86回アカデミー賞脚本賞を受賞。いつも奇想天外なアイディアで観る者を楽しませてくれるフィルムメーカーですが、「クリエイティブでいるって、時に情緒不安定みたいなものなんだ。自分のアイディアが絶対にうまくいくと信じられる時もあれば、次の週には全くうまくいかないと悩んだりね」と明かしてくれました。



「最初に目を閉じて“作ろう”と決めた瞬間の感覚を表現できるところまで、ゆっくりと辿り着く。自分が描こうと思ったことを描けていると感じられたら、編集して完成させ、作品を世界に放って、それから次の作品へと進むんだよ」



イベント終盤、Apple Storeのスタッフに何か耳打ちしていたスパイク。「最後にケイシーが歌ってくれるよ!」とケイシー本人を含むみんなを驚かせました。スパイクが仕込んだカラオケが流れる中、ケイシーは見事なラップでエミネムの「Lose Yourself」を披露。会場は大盛り上がりで、仕掛人のスパイクは実にご満悦の様子でした。

『her/世界でひとつの彼女』
監督・脚本・製作:スパイク・ジョーンズ
キャスト:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、スカーレット・ヨハンソン
6月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
her/世界でひとつの彼女』[アスミック・エース]

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