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木のある空間ってなんかほっこりするような気がする。

木のある空間…昔よく行ったおばあちゃんの家、小さい頃友達といつも遊んでた地元の神社の境内。

思い出があるから、そんな気持ちになるのかも。それに加えて、木って年輪があったりと表情に個性があるし、リラックスできる香りがするなど、何だか優しいイメージがあるからかな。


そんなことを考えていたところに、木のキッチンをつくり続けている会社があると耳にしました。ぬくもりを感じさせてくれる木の奥に、どんな秘密があるのかを探るべく、岐阜県は瑞浪に向かうことにしました。

木のキッチン「su:iji」



自然が広がる岐阜の地に工場を構えるのが、木のキッチンをつくる「ウッドワン」さん。

新築やリフォームに使用する無垢フローリングや、室内ドア、階段など住宅建材をはじめ、システムキッチンなどの住宅設備機器を提案してくれる、言わば「お家のトータルコーディネーター」です。

そんなウッドワンの、無垢の木だけを使ってつくられた「木のキッチン」が「su:iji(スイージー)」というブランドなのです。

そこで今回、su:ijiの工場を実際に見学させてもらえることになったので、お邪魔してきました。ぬくもりの秘密を探るぞー!



こちらで、木材がキッチンや住宅建材に変身していきます。



木材は柔らかく傷がつきやすいため、格納するラックや、加工する時に使う機械には、絨毯のようにクッション材が敷き詰められていました。木ってデリケートなんだね。




こうやって木材を一枚一枚、職人さんが手でカンナをかけ、滑らかにしていきます。



仕上がった木材を触らせてもらったのですが、そのスベスベ具合にびっくり。赤ちゃんのほっぺたよりスベスベやんー!



同じ木材でも状態が全て違うから、機械じゃなくてね人の手でひとつひとつ磨いてあげないと、きれいな姿にならないんですよ!」と笑顔で教えてくれた、職人さん。素敵な笑顔だったなぁ。



塗装もひとつひとつ丁寧に。こちらでは、木の味をより引き立たせるために、「下塗り」と「拭き取り」を数回にわたって繰り返します。さらに夏は湿度が高く塗料の乗りが悪くなるので、特に気を使うそう。温度と湿度の管理を徹底されています。

木それぞれのコンディションにあわせて、愛情をもって大事につくられている印象を受けました。



工場の見学で、デリケートな木たちが、丁寧に愛情をもって加工されている現場を目の当たりにした後で、工場を案内してくれた商品企画室の方に、ウッドワンの企業としての思いについて詳しく聞いてみました。

木のキッチンを持つことの意味



── どういう思いのもと、無垢キッチンを始められたのでしょうか。

商品企画室 Iさん(以下、商品企画室)私たちは林業から始まった会社です。現在は約4万ヘクタールのニュージーランドの森で植林をしています。キッチン事業は2008年から、木を育てている会社がつくる木のキッチン、つまり「木のキッチン専門店」をテーマにスタートしたのが始まりです。

当時、キッチン価格はどんどん安くなってきていました、私たちは大手キッチンメーカーと比較すると規模も小さいので価格勝負では負けてしまいます。一方でホンモノの素材にこだわるユーザ、傷がつくことを恐れないユーザが増えてきている流れも感じていました。

そこで、そんなユーザにホンモノの木の扉のキッチンをリーズナブルな価格で提供する、そんな「手の届く木のキッチン」を目指して始めました。



── 木のキッチンを持つことのメリットってなんでしょう。

商品企画室:やはり、木が持つ独特のぬくもりが得られることですね。su:ijiをどういったユーザに届けていきたいのか、というのを考えていた時に、とあるビルダーさんの女性社長から言われた言葉なのですが、

共働きしている女性は疲れていて、家では癒されたいんです。料理する時にかわいい木のキッチンの前に立つと癒されるし、明日からも頑張ろうって思えるんですよね。

この言葉を頂いた時に、su:ijiの方向性はこれだ、と確信を持ちました。届けたいユーザ像と私たちの企業の背景がぴったり合った時でしたね。



商品企画室:メリットではないですが、su:ijiのユーザ像は「オーガニックなものを使いたい」、「できるだけおうちできちんと料理して食べたい」、「ピカピカしたものより、自然のやさしい感じのほうが好き」、「野菜も自分たちでつくりたいな」といった方でしょうか。

私たちは「“暮らしごと”を愉しむひと」と表現しています。木にもいろんな種類があって、子どもたちには色の名前を覚えるように、木の名前も覚えてほしいなぁと思っています。

木のキッチンの特徴は、使っていけば使っていくだけ、味になり、家族と一緒に成長できること。

傷やヤケ、汚れも味だと思ってくれる人に選んでいただきたいと考えています。例えば、お寺や神社などの木の床って、時間の経過や風合いを大切にしますよね? その辺りの話に通ずるものがあると思います。

森を管理すれば地球にも優しい

ニュージーランドの「ウッドワンの森」

── ウッドワンさんは木の栽培から加工まで全て自社でやられていると聞きました。そちらについてお話を聞かせてください。

商品企画室:森を管理するということは、地球に優しくなるということです。私たちはニュージーランドに淡路島ぐらいの大きさの「ウッドワンの森」を所有していまして、「30年サイクル」という概念のもとに、植林から伐採までをトータルで管理しています。植林、成長、伐採までのサイクルに30年かかることから、このように呼んでいます。



商品企画室:小さな苗木を植えて、無節のきれいな無垢材をつくるために、木がまだ幼いうちから小さな枝を人の手で丁寧に枝打ちしています。



商品企画室:さらに、木目が整った良質な無垢材に仕上げるために、常にもっと太陽の光を浴びて成長するように、と心を込めながら間伐をおこない、木一本一本に太陽の光をよく当てるようにしています。

そして植林から約30年後、高さ30〜40mと立派に育ったニュージーパインは伐採され製品へと変わっていきます。

愛情と手間をかけて木を育てているところから、製品まで一貫生産している部分が他社にはない強みだと思っています。



── 木と聞くと、寒暖の差や湿気などに弱いイメージがありますが、その辺りの問題はどのように克服されているのでしょうか。

商品企画室:木は生きているので、水分を吸うと膨らみ、乾燥すると縮んだりします。なので、木材を日本の気候に合う含水率までしっかり乾燥させて管理、そして製品化しています。

そのため大きく含水率が変わったりすることは無いので、木自体が反りにくくなっています。

また、汚れについての心配もあると思いますが、その対策は「塗装方法」でクリアしています。分子レベルの話ですが、架橋密度が高い塗料を使っていますので、汚れの大きさよりも塗料の隙間が小さいので汚れが入らなくなっています。ただ、ピカピカになりすぎる塗装にはしておらず、しっかり木味が出るものとなっています。

また木は日焼けもしてきます。これは革製品を使って出てくる味と同じで、時間とともにホンモノだからこそ感じられる味わいに変わっていきます。

「ウッドワンの森」ですくすくと育ったニュージーパイン

── それでは最後に、木を育てているウッドワンさんにしかできない、ものづくりやこだわりについて教えてください。

商品企画室:もともと林業の会社なので、木材に対する愛情をもって、大事に育てた一本一本の木材たちを、部位ごとに長所を活かした使い方をしています。せっかく何十年もかけて育てた木なので、なるべく捨てるところなく使って、さらに長い間使える商品をつくっていくことを心がけていますね。

ウッドワンは、植林から商品展開まで全て自社でおこなっている、他にはない企業です。

新しいレシピや花の名前を覚えたりするように、木の名前もみなさんに覚えて頂きたいですし、日本の家や暮らしの中に普通にホンモノの木がある、そんな社会にしていきたいと考えています。

── 今日はどうもありがとうございました。

商品企画室:ありがとうございました!

*  *  *


林業というバックグラウンドを活かすことで、本物志向と現実的な価格帯を実現しているウッドワンのみなさんからは、強い使命感、そして木への愛情が感じられました。

さらに今回の工場見学を通じて印象に残ったことは、su:ijiがある空間にもやっぱり「ほっこり」の存在があったこと。

その「ほっこり」は、木そのものが持つあたたかみ以上に、su:ijiに携わる職人やスタッフ全員の木に対する愛情からくるものだったようです。

su:ijiWOODONE

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