子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。
大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。
というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。第31回は、林明子作・絵 『おつきさまこんばんは』です。
1986年初版の絵本です。
ストーリーはこんな風。
三角屋根のおうちの近くに2匹のネコのシルエットが浮かぶある日の夜。
やがて屋根の上が明るくなってきて、おつきさまがぽっかりと顔を出します。「おつきさま こんばんは」。
そのあと、おはなししようとやってきた雲に、ちょっとのあいだ隠されてしまうおつきさま。
でも、雲はすぐに去り、おつきさまは、にっこり笑ってくれるのでした。
林明子さんの絵はとてもやさしく、あたたかく、小さな子どもたちは、お月さまの表情に惹きつけられ、一緒に心配したり、笑ったりと色々な表情を見せてくれると思います。
このお話の主役はもちろんお月さまですが、ネコたちのちょっとした動きに注目するとさらに楽しめます。裏表紙もまで注目ですよ。
大人にとってはシンプルすぎるストーリーかもしれませんが、お月さまに会い、「こんばんは」と声をかけることができる日々の幸せ。そして、喜怒哀楽を感じ取る心が、シンプルな絵とストーリーの中に散りばめられています。
絵だけのベビーブックから、絵だけでなく、短いストーリーを楽しむことができる絵本。赤ちゃんのファーストブックにもピッタリです。アマゾンにて購入できます。
さあ、今宵はこんなお月さまが夜空に浮かんでくるでしょうか。