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子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。

というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。第29回は、作:ニューヨーク・サン新聞「社説」訳:中村 妙子 絵:東 逸子『サンタクロースっているんでしょうか?』です。

1977年初版の絵本です。

ストーリーはこんな風。

ある日、友達にサンタクロースはいないと言われ、真剣に悩んでしまった8歳の女の子。お父さんの勧めもあり、ニューヨーク・サン紙に手紙を出します。「サンタクロースって、本当にいるの?」と。

そして、1897年9月21日のサン紙の社説でそのお返事が掲載されます。

お返事の一部は、こんな内容でした。

サンタクロースを見た人は、だれもいません。でも、だからといって、サンタクロースがいない、といえるでしょうか。この世のなかでいちばんたしかでほんとうのもの、それは大人の目にも、子どもの目にも見えてないのです…。(中略)

なんだったら、パパにたのんで、だれか人をやとって、クリスマス・イブに街中の煙突を見張ってもらって、サンタクロースをつかまえてみることにしましょうか? でも、もしサンタクロースが見つからなくても、それがどうしたっていうんです?

本作は普通の絵本とは異なり、女の子の手紙とそれに対する新聞記者の返事という実話に基づいています。

それにしても、120年近くも前に女の子が新聞社に質問の手紙を書き、その返事となった社説が、今も語り継がれていることに驚きます。

「サンタクロースはいるの?」

この質問を受けたときに上手に答えるために読む、いわば、大人のための教科書ともいえるかもしれません。

私たちが頭でわかっていること、知っていることはほんの少ししかありません。

見えないからっていないとは限らない。最初からいないと思えば、そこから広がることはありませんが、いると信じれば、その存在は確かなものになる。

「サンタクロースはいるの?」

素敵な答えを教えてくれる1冊です。

『サンタクロースっているんでしょうか?』 [偕成社]
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