新人のコミック、特に第1巻はとりあえず買うFP山崎(@yam_syun)です。今回は2冊同時刊行で登場した新鋭のコミックレビューをしてみたいと思います。ぞくっとするほどの切れ味がある「ブックイーター」です。

■恋愛は明るく楽しいものばかりではない

恋愛が明るく楽しいものだと考えるのは中学生までの話です。実際に恋愛感情を覚えたその日から心は千々に乱れるものですし、眠れぬ夜はあまり楽しいものではありません。意中の相手が別の誰かのほうを振り向いていたりすると、口内に苦い味を覚え、心の中にどろどろとした感情が芽生えてきます。

たとえ告白に成功してもそれは同じです。つきあって楽しい時間を過ごすのと同じくらい、相手の感情に疑心暗鬼になったり、つらい気持ちを味わうこともあります。リア充などといいますが、リアルで恋愛のある生活もいいことばかりではありません。

「ブックイーター」で描かれるのは恋愛群像劇です。数話ごとに完結するストーリーは、主人公が知人や友人に入れ替わりながら紡がれていきます。登場するのは、料理を作ることに執着のある女性、外の世界に目を向けずひたすら本をむさぼり読む男性、何年も一人の女子をくどき続ける美形男子、何年も時間の止まった部屋を持てあます男性など、いずれもひと癖ある人物です。

それぞれのキャラはリアリティがないような設定ですが、コミックを読み込むうちに、なぜか「生」のリアリティに引きつけられていきます。誰もが恋愛のしんどい部分に向き合い答えを見つけていきます。作者の力量はなかなか見事で、気がつけば2冊のコミックを最後まで一気に読ませてしまいます。

■ざらっとした恋愛の手触りを感じさせる一冊

「ブックイーター」を読んでいて感じるのは、ざらっとした恋愛の手触りです。呼吸するほどに苦しくなるような生々しさが、虚構だと分かるシチュエーションなのにぐいぐい伝わってきます。「あー、恋愛って大変だったなあ(でもそれが楽しいんだよなあ)」ということを手触りの中に思い起こさせてくれます。

二冊同時刊行されており上下巻のような構成なのですが、1巻・2巻と表記されているため、続きも期待したくなります。この作者なら、新しいストーリーでも読みたくなりますが、できれば続刊に期待したいところです。

新人作家のため、書店の店頭に並んでいないことも多いのですが、オススメできる一冊です。みつからなければぜひ、ネット書店で取り寄せてでも読んでみてください。読んで後悔しないと思いますよ。

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