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子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。

というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。第22回は、作: 筒井 頼子 絵: 林 明子『はじめてのおつかい』です。

1977年初版の絵本です。

ストーリーはこんな風。

みいちゃんは、ある日ままからおつかいを頼まれます。「あかちゃんの ぎゅうにゅうが ほしいんだけど、まま ちょっといそがしいの。ひとりで買ってこられる?」

はじめてのおつかいを頼まれたみいちゃんは、「ひとりで!」と飛び上がります。百円玉を2つ握りしめて、坂の上まで、おつかいに出かけます。途中、自転車が近くをぴゅーっと通り過ぎたり、坂では、転んでしまって、百円玉が道に落っこちてしまったり……。

誰もが経験する「はじめてのおつかい」。子どもにとってみたら、責任のあるお仕事を任されることは、嬉しくてちょっと鼻が高いこと。だからワクワクとドキドキとちょっぴり不安を抱えながら、そして子どもたちなりの使命感を持って、お母さんのおつかいを全うしようとします

お母さんとよく行くお店だったり、おうちからそう遠くない場所なのに、1人で道を歩いてみると、いつもと違う風景が広がっていたりするのかもしれません。

せっかくお店に着くことができたのに、なかなか牛乳を買えないシーンからは、みいちゃんの不安が伝わってきます。そして、最後は勇気をもって、「ぎゅうにゅうくださあい!」と大きな声を出し、やっとおばさんが気がついてくれます。

「ちいさなお客さんがいたのね」と謝ってくれるおばさん。また、お釣りを忘れたみいちゃんを追いかけて優しくフォローするところは、大人が子どもの存在を認めてしっかり向き合うことの大切さに気づかされます。

このみいちゃんの心の動きや行動は、たくさんの子どもたちが遭遇する場面ではないでしょうか。

林明子さんの素朴なタッチで描く活き活きとした表情細かい街の風景も、このストーリーにピッタリ。

小さいけど、未来へ続く大きな冒険。子どもたちはみいちゃんと同じ気持ちになって読み、大人たちは子どもの頃の気持ちを思い返す。

勇気をもって「はじめて」に挑戦してみたくなる絵本です!

『はじめてのおつかい』作: 筒井 頼子 絵: 林 明子(福音館書店)

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