子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。

というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本を紹介していきます。

第18回は、シルヴァスタイン作・倉橋由美子訳 ぼくを探しにです。

1977年初版の絵本。

ストーリーはこんな風。

「何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを 探しに行く」
ころがりながら、歌いながら、自分に足りないかけらを探す旅。
みみずとお話をしたり、花のにおいをかいだり、楽しみながら、野を越え、海を越えていきます。

かけらを見つけますが、小さすぎたり、大きすぎたり。
ぴったりだと思っても、しっかりはめておかなかったので、落としてしまったり、きつくくわえすぎて壊れてしまったりします。そしてとうとう、ぴったりのかけらに出会います。ところが……。

人は誰しも「自分に足りない何か」「自分に欠けている部分」を追い求めて、生きているのかもしれません。

この絵本の主人公”ぼく”に自分を当てはめて、「欠けている部分」には、仕事、人生のパートナーなどに置き換えて読み進めるとしっくりきます。

自分に足りない何かを探す旅。すなわち人生は、かんかん照りの日もあれば、吹雪の日もある。山に登ったり、下ったり、誰かを追い越したり、追い越されたりすることもある。でも、「完全」ではないからこそ、うまく転がれないからこそ、花のにおいをかいだり歌を歌って人生を楽しむことができるのかもしれません。

このお話では、探していたかけらを手に入れるのですが、何か違うと感じたぼくは、そのかけらをゆっくりとおろし、やっぱりまたかけらを探して一人で転がって行きます。

人間が全て欲しいものを手に入れたとき、そこにあるのはなんでしょう。もしかしたら人生は、ちょっと欠けた部分があって、そのかけらを探しているくらいが一番楽しくてちょうどよいのかもしれません。

サインペンで描いたような白黒のシンプルな世界もいいですね。

ちょっと肩に力が入ってしまっているときに読みたい1冊です!

シルヴァスタイン作・倉橋由美子訳 『ぼくを探しに』(講談社)

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