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子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。

というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。

第16回は、西内ミナミ作・堀内誠一絵 ぐるんぱのようちえんです。

1966年初版で、45年以上も愛されている1冊。

ストーリーはこんな風。

ぐるんぱは大きなぞう。ずっとひとりぼっちで暮らしてきたので、汚れて、とても悲しそうでした。あるとき、ジャングルで会議があり、ぐるんぱを働きに出すことに決まりました。

みんなにきれいに洗われて、立派になったぐるんぱ。最初はビスケット屋さんで働きますが、大きすぎるビスケットを作ってしまい、追い出されてしまいました。その後も、お皿、靴、ピアノと大きなものばっかり作ってしまうぐるんぱは、なかなか、仕事がうまくいきません。失敗ばかりのぐるんぱは、作った大きなものばかりを車に乗せて、出て行きます。

そのうち、子どもたちと出会い、ぐるんぱが作った大きなピアノを弾いて歌を歌うと、子どもたちは大喜び。やがて、どこからかたくさんの子どもたちが集まってきました。そして、ぐるんぱは幼稚園を作りました。もう、ぐるんぱは、寂しくはありませんでした。

一人ぼっちのぐるんぱは、周りに背中を押されて働きに出ます。でもなかなかうまくいかず、失敗続き。「おおきなおおきな」ものを作っては、「もうけっこう!」と言われ、「しょんぼり、しょんぼり」出て行きます。前半はこんな言葉の繰り返しのリズムも楽しいです。実際は悲しい場面なんですけれど、堀内誠一さんのかわいらしい絵の効果もあり、不思議と悲壮感などはありません。

そしてしょんぼりし続けたぐるんぱですが、失敗してもいろいろなことに挑戦し続けたおかげで、最後に自分にピッタリの仕事に出会うことができました。

ぐるんぱが作った大きくて失敗だと思っていたものが、最後には子どもたちの宝物になるところがステキです!

失敗したと思っても、不要だと思っても、それを必要としている人はどこかにいるかもしれない。そんな場所を見つけられるように、うまくいかなくても諦めず、いろいろな世界を見てみるのが大切ということを、ぐるんぱは教えてくれます。

子どもであれば、社会生活第一歩の保育園や幼稚園での生活のはじまり、大人であれば、就職活動や新しい仕事を始めるときに読むと、「そうだよなー」と納得できそう。

「自分の居場所」はきっとどこかにある。

それを心のどこかに置いておけば、生きていくうえで大きな力になるんじゃないかな。

そんな風に思える1冊です。

西内ミナミ作・堀内誠一絵 「ぐるんぱのようちえん」 (福音館書店)

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