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子どもにワクワクや楽しさ、悲しさ、教訓などを教えてくれる絵本。大人になって読んでみると、また違った印象を受けることもあるかもしれません。夜眠る前に、雨降りの日に、もちろん晴れの日だって、絵本を読む時間はきっと貴重な時間となることでしょう。

というわけで、大人も子どもも楽しめる絵本の紹介をしていきたいと思います。
第17回は、加古 里子作・絵『だるまちゃんとてんぐちゃん』です。

1967年初版された長く愛されている絵本です。

ストーリーはこんな風。

  「だるまちゃん」は、友だちの「てんぐちゃん」のうちわや帽子などちょっと変わった持ち物が欲しくてたまらなくなり、おうちに帰って、てんぐちゃんの持っているものを欲しいとお父さんに頼みます。
お父さんは、だるまちゃんのために、色々と用意してくれるのですが、だるまちゃんは納得ができず、自分で、おうちにあるものを工夫して、てんぐちゃんのまねっこをします。

最後には、てんぐちゃんの長い鼻が欲しくなってしまい……

だるまちゃんが、お友だちのてんぐちゃんの持っているものを欲しくなってしまい、「欲しいよぉ」と素直にお父さんに頼む姿は、子どもなら誰もが通る道。そして、その願いを叶えてあげようとする、お父さんのだるまどんの努力も微笑ましい!

だるまどんが用意する帽子の場面は、加古里子さんお得意の見開きをいっぱいに描かれたいろいろな種類の帽子の絵。例えば、サンタクロースの帽子やコック帽、中世のよろいの帽子(?)のようなものなどが描かれており、その1つ1つを見ながら「これは何の帽子かな」、「自分だったらどれをかぶりたいかな」なんて想像するのが、また楽しみのひとつ。

でも、だるまちゃんはなんだかピンとこないようで、一生懸命考えていいものを思いつくんです。そして、おうちにあるものを工夫して、てんぐちゃんの持ち物に似たものを作ります。

だるまちゃんが帽子や履物に変身させる様子を見ていると、子どもは周りをよく観察していて、そして素晴らしい創造力を持っていることに気づきます。そんなだるまちゃんのアイデアのヒントが前のページに隠れていたりして、それを探すのも面白いのです。

毎回てんぐちゃんの持ち物に似たものを見つけ出すと、てんぐちゃんに見せに行くだるまちゃん。その度てんぐちゃんは「すてきだね」と褒めてあげるやさしさにも注目です。子どもだけでなく、大人もこんな風に人と接することができたらいいのにな。

そして、欲しいものがあったときに何でも手に入ってしまう時代だからこそ、だるまちゃんのように工夫したり、試行錯誤することを忘れずにいたいなと思わせてくれる絵本です。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』加古 里子作・絵 (福音館書店)

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