
「在来作物」とは、「ある地域で、世代を越えて、栽培者によって種苗の保存が続けられ、特定の用途に供されてきた作物」のこと。
つまり、その土地だけで採れる作物を種を代々受継ぎ絶やさずに作られてきた作物のことをいいます。種が途絶えればそこで「在来作物」も消えてなくなってしまうことから、「生きた文化財」として、最近見直されています。日本の究極のスローフードが「在来作物」なのです。
そんな「在来作物」にフィーチャーした、おいしい映画が公開になります!
『よみがえりのレシピ』は、山形県庄内地方の「在来作物」を作り続けてきた農家と地域の子どもへの食育、さらに「在来作物」を現代の料理に生き返らせたイタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」を舞台に物語がひろがっていきます。
カブや大根、芋、豆など素朴な素材のみずみずしさが映像を通してでも伝わってきて、思わず今すぐ食べにいきたくなってしまうこの映画。さらに胃を刺激するのは「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフ(右写真)がつくる野菜の味・食感・香りを生かした料理たち。
奥田シェフは、メニューを決めて素材を選ぶのではなく、素材からインスピレーションを受けて料理をつくるという、素材第一の考え方。その料理を食べに、北海道から沖縄まで日本全国からリピーターが訪れるているそう!
そして、そんな在来作物を作っている農家の人々は、自分たちで育てた作物を食べてもらうことでひとをしあわせにするという喜びにあふれています。人間のしあわせは、シンプルなものなのだということを実感できるだけでも観る価値のある「よみがえりのレシピ」。
庄内地方の美しい自然と、おいしい料理たち。スローフードの豊かさを感じていたら、山形まで行きたくなること確実です(笑)。『よみがえりのレシピ』を観て、食欲の秋をさらに満喫しちゃいましょう!
(篠田慶子)