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オタク稼業のかたわら、東京スリバチ学会にも所属しブラタモリ的街歩きも嗜むFP山崎(@yam_syun)です。

さて、街歩きマンガ、というのもひとつのジャンルです。単に観光ガイドブックをコミカライズのようなものから、特定のテーマを掲げて街歩きするようなもの、街歩きをストーリーの伏線の一部としてうまく活用されているものまでさまざまです。

NHK「ブラタモリ」の人気を見ても、街歩きはちょっとした人気です。筆者は神楽坂に事務所を構えていますが、週末となると街歩きを楽しむカップル(老夫婦の比率高し)がそぞろ歩きを楽しんでいます。

今回の「いえよみ」レビューでは街歩きマンガを追いかけながら「東京スカイツリー」が誕生するまでを追っかけてみます。

■まだ更地だった頃の業平橋を歩く

衿沢世衣子の『ちづかマップ』(最近、小学館から新シリーズが出ましたが旧シリーズの講談社刊のほう)では、まだ更地であった頃の業平橋駅(現・とうきょうスカイツリー駅)界隈が登場します(左上)。車両基地は取り払われ、更地となった建築予定地を見て、ここにこれからスカイツリーが建つことになるんだよ、という展開が、歴史的名所を巡りがちな浅草界隈のストーリーにうまくハマっていました。


■建築中のスカイツリーを見る

以前紹介した『東京シャッターガール』では、被写体を求めて銀塩カメラを構えた女子高生が建築途中のスカイツリーを撮影するのが第1話でした(中上)。知り合った親子と「2011年冬か2012年春には完成らしい」なんて会話を交わすあたりも、建築途中のネタ、という感じです。

「建築探訪ファンタジー」と題された、ancouの『Naviko』でも、第1話の素材として完成前のスカイツリーがネタになっていました。逃げ回るシーンで、どこまでもスカイツリーが追いかけてくる(背景に入る)あたりが、うまい感じの演出でした。何人かの男女が、いろんな建築を訪ねていく、不思議なテイストのマンガです。


■スカイツリー完成後に訪ねる

山口よしのぶの『東京旅さんぽ』は、大学時代の旅行サークル仲間がもう1度集まって、都内を「旅さんぽ」というテーマで歩くコミックです。コミックの表紙は神楽坂ですが、毎話食い道楽をちりばめているのは女子サークルならでは。

こちらはスカイツリー完成後の押上~向島あたりを歩きます(中下)。2種類のライトアップもいいけれど、夕方のスカイツリーが輝いている姿もオレンジできれいだ、なんて台詞は、完成後、ならではです。

そして『Naviko』でも完成後のスカイツリーを再びネタにしています(右)。ヒロインと出会った頃には建築途中だったスカイツリーを再訪したところ、完成していることに気がつき、登場人物間の関係の深まりも示唆されます。


■2008年2月に描かれた2タワー×ラブストーリー

今回画像は紹介していませんが、東京タワーとスカイツリーを題材にしたラブストーリーが2007年~2008年に発売されています。『東京マーブルチョコレート』がそれで、アニメとコミックの『東京マーブルチョコレート ハロー、グッバイ、ハロー。』があります。少女漫画家の谷川史子さんと『攻殻機動隊』等で有名なアニメスタジオのProduction I.Gがタッグを組んだ企画で、アニメ版もコミック版もそれぞれの良さが出ており一見の価値ありです。

『東京マーブルチョコレート』の特徴は、2つのツリーがストーリーに関わってくるところと、スカイツリー完成後の世の中を舞台にしているところです。

東京タワーとスカイツリーは、ウオーキングで歩ける距離ですが、恋愛の距離を例えるにはやや遠いところに、演出のおもしろさがあります(これはアニメ版の話)。
また、コミック版では「新タワー」「旧タワー」という言葉が出てきているのは、まだスカイツリーという名称がなかったからですが、それも踏まえて時代を切り取った名作だと思います。



コミックを開くと、描かれた当時の風俗が描かれており、はっとすることがあります。服装の趣味、建物のデザインなど、漫画家が切り取ったシーンはしっかりとコマの中に保存され、私たちの記憶に残っていくのです。

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