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TOKYOSAKA往復書簡。「インテリア」や「空間」について建築関係のルーツを持つ東京のファッションPRと、木の家づくりをしている大阪の見習い設計士が互いにやりとりします。

田辺:さて、節電の夏いかがお過ごしでしょうか。うつくしい暮らし方を目指して夏の準備に、苔玉作りを体験してきました。

ハタナカ:緑が美しい! すごい良い経験をしてきたのね!

★用意するもの

・ハイゴケ
・植物の苗(今回はシュガーバイン)
・土(ケト土10:赤玉1:くん炭1) ※土の割合は参考書によっても様々です
・木綿糸(モスグリーン色)
・トレイ、ハサミ、バケツ、ビニール手袋

★作り方

1 ケト土、赤玉、くん炭を、混ぜ、水を加えてツヤが出るまでしっかり練る。固さは耳たぶくらい。パン種作りのようにつるんとまとまったら、完成の大きさを想定した量を丸める。苔がつくと一回り大きくなるので、苗とのバランスも考えて。

2 トレイの上で、苗を取り出す。茎を持った状態で鉢を逆さにして出すと良い。根をいじらないように、優しく手でほぐしながら余分な土を落とす。

3 手のひらに、練った土を広げ平らにする。その上に苗をのせ、くるむ様に形をつくる(なんだか、おはぎ作りに似ています)。ひびは、指でポンポンとたたくとなじむ。割れてきたところには、土を足す。おにぎり型にしてもかわいい。

4 苔の裏のゴミ(枯葉などがついていたりします)を取り除き、手のひらに広げて平らにする。トントンとたたくと薄く広がる。そして3を包む。

5 包んだ苔を固定するため糸をまく。糸は長めにとり、底を始点に親指で始点を押さえながら、まずは茎を押さえるように上下にまんべんなく。あまりぐるぐるすると、毛糸玉のようになるので、苔が落ちない程度に固定できれば横に2周くらいさせて、始点に戻り結ぶ。

6 ハサミで苔を剪定し、形を整える。あとはバケツに水を入れ、苔玉を浸す。空気がぷくぷく出てくるまで、1分くらい浸ける。

7 完成!



田辺:ここまであっという間、1時間弱でできました。あとは日陰の風通しの良いところで育てること。苔が茶色くなってきたら光がたりないということ。そんな時は、午前中だけでも外の日陰に出してあげて日に当てると良いそう。適度な光も必要なのですって。

あとは、季節によって水に浸したり霧吹きにしたり、苔の具合を見ながら、育ててくださいね。作るのはとっても簡単、維持していく方がずっと難しいのだと気づかされます。

基本的に、苔玉はインテリアなので大きく育てるよりも剪定しながら現状キープが基本ですが、もし苗が大きくなってしまったら、ボールのまま土に植えてあげることもできます。そのためにも、苔をとめる時、針金やテグスではなく木綿糸で巻いているのですね。

ベランダガーデニングと違って、室内に取り入れられるのもいい感じです。

ハタナカ:自分が心地よいと思うように、飾ったりつくったり、緑のある暮らしは心に水やりするような感じだなぁ。

田辺:「苔むす」ということばがありますね。時間の経過や長く永久にという漢字の意味や、わびさびに繋がる永遠の美しさを感じます。

英語でも「rolling stone gathers no moss」(=転がる石には苔がつかない)ということわざがあるそうです。

ハタナカ:そうか、苔は余裕や時間の間が見せる産物だからこういった表現になるのかな。

田辺:Wikipediaによると「イギリスや日本では『落ち着きなく動き回っているものには能力は身につかない』という意味である。一方、アメリカでは『いつも活動的に動き回っている人は持っている能力を錆び付かせることはない』という意味になる。これは、環境の変化を良い物と捉えるか悪いものと捉えるか、に由来する違いである」

びっくり、意味が間逆。

ハタナカ:国で考え方の違いが明らかに出ているね。風土の違いがぱっきり。ここを少し深堀できるように考えてみたいな。次への宿題かな。

田辺:ちょっと話が飛びますが、このあたりから、過ごしやすい季節にもなるし、おうちを飛び出して苔見物におススメのスポットを紹介してもいいかもね。

そこで見たことを家に持ち帰って……家時間もゆったりできるかな……

ハタナカ:苔がいい感じの場所だと、東京だと根津美術館の庭園、鎌倉だと妙法寺(苔寺)、京都・西芳寺(苔寺)とかかね。

田辺:苔が買える場所だと自由が丘の「品品」とかね。

ハタナカ:夏休みだし、苔作り私もしてみようかな。

田辺:是非やってみて!


■プロフィール
田辺愛

武蔵野美術大学 建築学科卒業。現在、大阪の北部で木のいえづくりを学んでいる。

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