ライフハッカー[日本版]より転載 : こんにちは。相変わらず生活担当の「失業経験有り人事担当」の田中二郎三郎です。
さて、一人暮らしの我が家。掃除機を新調しようと家電店にいったところ、出会ったのが「任せられる掃除力」をキャッチフレーズにするロボット掃除機『ルンバ』。おそらく形だけは見たことのある方も多いかと思います。このロボット掃除機、本当にきれいに掃除してくれるのか、実機を購入して実験してみました。
Photo by detsugu.
最新型の700シリーズのルンバは3種類、ベーシックモデルの760、スタンダードモデル770、ハイグレードモデルの780がありますが、ここはベーシックモデルと5,000円ほどの価格差しかないスタンダードモデルの770の漆黒が気に入ったので、770を購入しました。これより1万円ほど高いハイグレードモデルとの差はタッチパネルと付属品の差ですが、触ってみたところ、タッチパネルよりボタンの方がしっかり押した感があるので、複数部屋(最大25畳)を順に掃除してくれるライトハウス機能に特に魅力を感じない限り、スタンダードモデルで我が家は十分との判断です。我が家はリビング15畳、寝室10畳が縦につながっているレイアウトで障害物も多いので、実験にはぴったりでしょう。
さて早速、充電して掃除開始です。動きは非常にコミカルで「かわいさ」を意識してプログラムが組まれているのではないかと思わせます。実験のため事前に普段通り掃除機をかけておきました。ルンバがどの程度人間に掃除力で勝てるのか。その結果に注目したいところです(安い買い物ではないので…)。
そして1時間後、無事にベース(充電基地)へ自動的に戻り、どれだけゴミを取っているかダストボックスを開けてみます。すると意外(期待通り?)な結果が…。「俺の家、こんなに汚れていたの?」というくらい灰色の綿ぼこり系のゴミがあふれるくらいに溜まっていました。事前に掃除したにもかかわらず、かなりの量です。その後使い続けてもやはり溜まるので、自然に溜まっていくほこり系のゴミに対する「掃除力」に関してはルンバに「任せられる」と言っていいでしょう。何回か使ってみましたが、その都度違う動きをするので、どうやら部屋の形、障害物の位置等を記憶したりはしていないようです。また、ある程度の段差がある場合は、ちゃんとセンサーが反応して落ちません。
しかし、ルンバにも欠点はあります。まず、障害物に囲まれている狭い場所に入り込むと、その場で脱出しようとしないで、同じ動きを繰り返してバッテリー切れという場合があります。特にL字型の「狭い」袋小路はかなり苦手なようで、脱出不能になります。床から高さのないソファの下なども当然掃除してくれません。我が家の場合、ぎりぎりルンバの頭がぶつかってしまうソファだったので、ソファの足に板をしいてクリアランスをとり、掃除可能にしました。私はこれを「最低ルンバ高」と呼んでいます。
ケーブル類もルンバにとって天敵です。カタログには逆転モーターが作動するとなっていますが、あくまでケーブルがローラーに絡まった場合のみの作動で、ケーブルを乗り越えていこうとする努力? が非常に顕著で、コードなどが這っていると、ケーブルの上でローラーには絡まらないけど立ち往生という場合が多く見られます。ケーブルをルンバ自身がかき回してしまうことも多かったです。今はやりの吸水マイクロファイバーマットの上では、まず立ち往生します。
さらに、掃除機では吸い取ってくれる大きめのゴミは吸い取らずに、はね飛ばしてしまいます。同様に床にスリッパなどが置いてある場合にも、当然ルンバははね飛ばしてしまいます。床に小物が多い家は、同梱のバーチャルウォール(仮想壁)をうまく設置する必要がありますね。
最悪なのが、家にペットがいて床に粗相をしてしまった場合。ルンバ自身が通りかかると、ルンバ自身の生命に関わるだけでなく、排泄物で床がワックスがけされるという部屋にとって死刑宣告に等しい状態になります。これは絶対に避けなければなりません。
使用を繰り返して行くうちに感じるのが、ルンバをロボットマシンと思ってはいけないという事。かわいいお掃除ペットを飼っていると思う事が大切で、そうするとルンバの失敗にも愛着がわいてきます。私の場合、スケジュール機能で家に居ない時間に掃除してもらっているのですが、帰宅後ルンバがコードに絡まって基地に戻っていない確率は1割ほど。そのときはチッと思わず、「なんだよーるんば、しっかりしろー」と基地にそっと戻してあげる愛情が必要です。動いている姿を見ると、ちょっと和む側面も…。ただ動作音は意外に大きいので、うるさいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
最良の活躍環境は「一人暮らし・排泄のしつけのできていない犬猫が居ない・狭い袋小路などの空間がない・床に小物があまりない」というくらいでしょうか。総論ですが、買って(飼って?)良かったと思えるかと聞かれれば、間違いなく大満足です!(癒しキャラとしても?)
(田中二郎三郎)