去夏、「占い女子のための運命のトリセツ」を出された國武亜紀さん。占いに翻弄されない自分軸を持つ大切さを中心に書かれています。
現在、自由大学の講師や雑貨店「Occitania」経営など多岐にわたる彼女の初著作。1年経てもなお、新鮮さを失わない彼女の本を通して、身近に築ける占いとの関係などをインタビューします。家読みには最適な1冊なので、ぜひお手にとってみてください!
本を出す前に雑貨を扱うお店「Occitania」(オクシタニア)でお客さまのご要望がある時など自然な流れで占いをしていました。その際のお客さまの態度を通して感じることが多々ありました。占いに対して答えを求めたり、「当たる、当たらない」ことだけに終始していていたり、極端に捉えられてしまったり。そもそも占いに対するリテラシーが低いというか。
この危機感を通して、もっと占いを正し捉えられる場所を持とう、教える場を持とう、という思いが出てきました。そこで、池尻の自由大学で講義を持つことにしました。(※自由大学 -誰でもいつでも参加できる開かれた学びの場-)
この本は、自由大学の授業とリンクしたものなのですが、この授業をリリースしたところで出版社に見つけていただいて出版化する運びとなりました。
-占いって不可解な部分が魅力的ですが、言っていただいたことに対して耳を傾けても、うのみになってしまう可能性も高いし、そもそも自分を捉えていないと難しいですね。そもそも占いってなんだ? という前に、自己分析、自分を知ることについて、「自分を冷静に捉えましょう」というメッセージでこの本は始まっています。だからこそ翻弄されずに、客観的に「占い」を捉えられるような気がします。
そうですね。
人と自分がなぜ違うかという疑問から、占いというツールに出会ったことがきっかけでした。小さい時から人との違いの面白さを感じていて、例えば、同じ言葉を言われても受け取り方が違うのは何でだろう?と。当時はおまじないや占いがはやっていたので身近だったんですね。
私にとっては最初から人を知るためのツールだったんです。もともと、当たる当たらない部分から始まっているわけではないので。「○○座は~だから」こういった違いが出るのだな、とか。星座占いだけじゃなくて、他の占いの四柱推命だとまた結果が違うのではないかと、あらゆる占いを勉強してきました。
占いって、本当に多岐にわたるジャンルがありますが、占い学として統合している学術的なものがなく疑問でした。学べば学ぶほど、同じことなのにリンクしていない。複合的、並列で語ってはいけないのに、統合して論じている本がない。
-その疑問に10代の頃に気づいたのですね。
はい、ただ、私が気づいている位だから、それを論じる本は出るだろうと思っていました(笑)。
小学校の時は占いしかなかったのですが、それから年を重ねると哲学を学ぶ機会がありまして。そのうち心理学というツールがあることを知り、ちょうど大学で学部が新設されたところで心理学を専攻して学びました。こんなツールがあったんだという驚きがありました。
心理学の研究と占いのテクニックはすごく通じるものがありますね。対面での占いではコールド・リーディングの信じ込ませる手法とか。あとはフォアラー効果とか。一定の質問紙に答えを書かせる心理テストを行うのですが、そのテストとは全く関係のない結果を出されると70-80%当たっていると信じ込むという研究結果が出ています。これは回答者が「心理テストを受ける」といった行為を経ているので自分のために出てきた結果としてもっともらしく感じてしまう効果です。
このように、占いには、心理的に勝手に当たってしまう側面があるのです。占いを「当たる・当たらない」「信じる・信じない」という態度で臨んでしまうと、コントロールされる危険性をはらむわけです。占う側のモラルもありますが、悪意のあるなしは関係なく、受け取る側のリテラシーが低ければ、依存してしまうこともあるのです。
-なるほど。目からウロコというか…すごいです。この本は、西洋占星術の命、手相の相、タロットの卜(ぼく)といった3つのアプローチから論理的に占いを知ることができて面白いです。
そして、タロットを買わなくてもこの本を買うとビブリオマンシーができるんですよ。タロットの1枚引きと同じようなものなので、「今日のワンポイントアドバイス」など自分で考えて引いてもいいですね。
自由大学の初級の授業では教えていない、タロットカードの展開法である「ケルト十字法」なども入っているので読み応え十分です。
自由大学ではそういった方は少ないですね、カルチャースクールなどはマニアックな方も多いですが(笑)。
授業は「占い学」として占いに頼るのではなく、「自分はどう生きるのか?」、「自分はどこに向かい、何を手に入れたいのか?」、「自分を知り、ぶれない自分軸を持っていれば占いはよりよく生きるための最強のツールとなる」ということをお伝えしています。
本当に授業は面白いです。リアルな場なので、グループワークを通して自分のことだけじゃなく、仲間のことも見て、比べて個性を引き出していくことに重点を置いています。開催する期ごとに受講生のカラーが変わる、いろんな人の出会いがあり勉強になります。
-去年始まった中級クラスはいかがでしょう?
初級クラスは知的好奇心が旺盛な人たちが多く集まるのですが、中級クラスはさらに深く学びたい人たちが集まり、少人数でやるので中身が濃いです。
-上級クラスができたらより濃そうですね(笑)
視点の違った部分から占いを使っていきたいので現在、アプリを開発中です!
-より幅広く占いを楽しめるツールなりそうですね。占いって無限だけど、有限になりがちですよね。
確かに、俯瞰的に見られない体質のある分野ではあります。ただ、発展する余地はまだまだあります。
-1つを作りこむより、編集する時代といわれています。取り手側が自由に選択できる時代だからこそ、視点を変えて発展、発信していくことが大事だと思います。これからに期待ですね。
あとはアプリの開発とWEBの開発に連動させて、2冊目の本を準備しています。まだ正式には決まっていませんが、年明けくらいにできればいいなと。
-1冊目とはアプローチを変えてですか?
占いの専門的知識をベースに、占いを「占い」として使うのではなく、日常生活に占いを落とし込むような、そんな使い方を提案したいと思っています。占い本というとっつきにくい感じではなく、読みやすく、万人に使えるように仕上げます。
そうですね、私も「Occitania」では、ずっとアイテムをパートナーに昇格させる、また無駄なものを絶対買わず、いいものを買って育てるというマインドを持ってもらえるように心がけていました。
私は時計が好きなのですが、いい時計を持つとこれに見合う人間になりたいという思いにもなるし、同じアイテム持つ方と会うと、その話で盛り上がる。これは、まさにパートナーはパートナーを呼ぶ状況で、ツールからパートナーに昇格させることになると思うのです。
これは占いにも通じることで、皆さんにとってもツールからパートナーになればいいなと。
-なるほど。「Occitania」は再開する予定はありますか?
今年は来年に向けて新しい展開の仕掛けを作って 基礎を作る時期なのでお店としては一時休止していますが、今後また再開する予定です。賛同者も増えてきたので、面白い形を考えていこうかと!
惑星が星座に入る時、出る時はとても動きがあるタイミングです、活発になります。
おうし座の方は最後の攻めの時、ふたご座の方はこれから本格的にスタートする前のプロローグのような時です。自分と向き合い、デトックスしていくような時期ですね。いらないものを捨てる感じです。
-思考やものを捨てるなど整理していくことが大事ですね。
ふたご座の木星は、「コミュニケーション、IT、旅行、商売、楽しいこと」にスポットライトが当たります。ふたご座の方だけではなく、これらの業界が活性化することも指します。
これまで1年、木星が滞在していたおうし座は、「衣食住や豊かさ」といった保守的なものを司っていたので、ふたご座はびゅんびゅん活発的に動くようになり、時代が変わる感じがします。
-いろいろなことがあった去年からの流れから変化が出ますか?
「自由な生き方」、「シンプル」が強調されてきているキーワードかなと思います。時代が大きく変わろうとしていることに気づかないといけないし、いらなくなったものを壊していく時期にも当たります。
木星の移動だけではなく、去年の震災前後から見えていることですが、生きる上での自由さが出てくる時代になっていくと思います。今まで形骸化してきたもの、役割を果たしてきたものと新しい時代を担うものが交代していく感じが強く出てきています。
-フリーランスでお仕事する方が増えることになりますか?
今、言葉として流行している「ノマドワーカー」や、「フリーランス」の動きも活発になるかとは思いますが、みんながみんな、「フリーランス」になることは違うと思います。大企業では大企業ならではの仕事の醍醐味もあるし。
ただ、そのような流れに対して何も考えず、飛び込んでしまうことは危険ですね。何が自由って、「自分と自分の生き方に沿った働き方を選ぶ」「選べるようになる」ことが自由なんですよね。私は独立する前はそれなりに大きな企業で働いていましたが、会社の中にいても自由でしたよ(笑)。独立後はさらに自由になってしまいましたが。精神的に自由な人はそもそも、フリーランスであることとか、会社員であることの肩書も気にしてないと思います。
-確かに「個性」を生かして仕事をする=フリーランスになるではないですよね、自分に合う形でやりたいこと、したいことを実現していけること社会になればいいですね、ありがとうございました!