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前回「収納を増やしても何をしても、結局、すっきりさせるには自分と向き合う必要がある」とまとめた私たち。生活態度を把握し見つめなおすこと、「生き生きと暮らす」とはどういうことか考えることとします。

ハタナカ:ということで、愛ちゃんが得意そうなテーマ「生き生きと暮らす」ですよ、いかがでしょう?

この前の話を聞いて、私も留学時代、1年に4回も引っ越したのを思い出しました。今思えば「何でそんなに?!」って感じだけど、さまざまな理由で引っ越してました。街を変えたり、住む形態を変えたり…。ただ、その当時、いろいろなことがあり過ぎて、部屋がどうしてもきれいにできなかった。ものがあふれているというより、紙類がどうしても捨てられなくて…。何でなんだろ。本当に異常なんじゃないかって思うくらい、整理ができなかった。一緒に住んでいた人が心配してたくらい…。時間はあったのに、整理整頓したいと思えず、体調もよく崩していて…。思い返すと、精神状態と部屋の状態は類似するんだなって、この実体験で知りました。いろいろ葛藤していたんだと思う。

自身の名誉のために言うけど、今はそんなことないです。そして、今の私のうちに来てくれる子たちは想像だにしないと思う。と思いたい(笑)。

田辺:分かります! 私も時間があるのに紙に埋もれる時期ありました…(笑)。同じく精神的に葛藤していましたー。最後の方はひど過ぎて、もうここまできたら逆にアートかもと思って写真に撮ってみたりした(笑)。

ハタナカ:アートの域を見いだすって、さすがだわ! 逆に見せてもらいたいくらい(笑)。「生き生き暮らす」には、特に社会人だと、仕事を通しての自立が必要だし、お仕事している上での満足感を満たすなど公私ともに充実がはかれているかって部分が大きく影響しているように思う。学生さんだと、勉強や個人の活動を通して、となるのかな。

田辺:公私の充実って、ほんとそうだよね、大切よね。

ハタナカ:私のまわりに、残業が月100時間あって、お金もそれなりにあるけれど、家と会社の往復で寝る時間も無いほどに追われてて、それ以上のことはできないと言うか、傍から見て無理な状況にある子もいて…。精神的な荒廃も気になるし、お部屋もかまってないって言ってた。もうこうなると、どうしたらいいんだろうと思う。

そこまですごくなくても、少なくても働いている頑張り女子には、当てはまることが結構あるんじゃないかな? ゆとりや隙、ってどういうところから生まれるんだろう?

田辺:実際、私も家と職場の往復で、土日も打ち合わせでつぶれたり…。部屋でのんびりなんてあんまりしてないんだぁ。「ゆとりや隙、ってどういうところから生まれるんだろう?」との疑問に関しては、これが「ゆとり」と思ったことはないけど、例えば、小さな小さな範囲で、ここだけはきれいにするという聖域をつくるとか…。そういうことで自分を保っていたりします。

言葉は大げさなんだけど、あえて「聖域」なんてロマンチックにね。それって自分の部屋じゃなくても、オフィスの机の片隅でもできるような本当に小さな空間でね。そういうのってみんな持ってるんじゃないかなぁ。

ハタナカ:なるほど。それって、会社でも実践しやすいかも! 例えば、オフィスで机に向かって仕事をしていると、机の上がどうしてもごちゃごちゃなりがちだけど、ミーティングなどで席を離れるときは、少しでもきれいにして席を立ったり、1歩出たら後ろを振り返って確認することを忘れない、とか、ちょっとした心がけ次第でそうできるような気もするね。

田辺:それって茶道の作法に通じるかな? 部屋のなかのものや場所も、頭のなかで置き換えれば、床の間のお花や石、盆栽、庭に通じるのかなぁと思うときがあります。日本風に言えば「見立て」でしょうか。別の言い方をすると「妄想」とか「ロマンチスト」かな。ターシャ・テューダーも「ロマンチストになることは、人生を楽しむ現実的な方法」と言っていました(『今がいちばんいい時よ (ターシャ・テューダーの言葉 (3))』より)。

ハタナカ:ターシャさん、すてきだよね! 私も彼女の自然ななかにある庭づくりやライフスタイルが好きです。押しつけがなく、とても凛としていて芯がある女性は憧れです。

田辺:すてきな人を見ていると、暮らすことも表現のひとつなんだと思うよね。

ロマンチックと言えば、前回の話でも出た「箒(ほうき)」と「掃除機」だったら、断然「箒」がロマンチック度が高いと思うの。正倉院にも「箒」が宝物としておさめられているのを、以前、正倉院展で見て「掃除道具がなぜ?」と目が釘付けになってしまったことがあります。箒の先に小さな玉がついていて愛らしいんだ(「子日目利箒(ねのひのめとぎぼうき)」)。

もちろんこれは掃除道具ではなく、豊穣の儀式のためのものです。考えてみると神社で神主さんがさらさらと祓ってくれる「御幣」はどう見ても「はたき」だし。話はとんじゃったけど、片付け、掃除って思っちゃうとおっくうになるから、ターシャさんが言うように「ロマンチスト」になる方法は有効かと。

ハタナカ:確かに、余裕や隙がないと、「ロマンチスト」にはなれないよね。窮屈過ぎて。

田辺:2人の方向性も見えてきたし(?)そろそろ具体的な話、映画や小説のなかに出てくる部屋についてとか、お互いが自宅でスタイリングした写真を元に話すか、そんな感じかなぁ?

ハタナカ:では、次から実践バージョンでいきますか! 乞うご期待!!

■プロフィール
田辺愛
武蔵野美術大学 建築学科卒業。現在、大阪の北部で木のいえづくりを学んでいる。

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