Photo byJorge Dalmau y Pablo Dalmau Photo
こけし、と聞いてあなたは一体何を思い浮かべますか?
どこか懐かしい、おばあちゃんのお家のようなイメージが私は湧いてくるのです。
最近、真鶴のアートミュージアムにいってきたところ「ここに来れば『こけしが分かる』展」を開催中でした。
宮城県出身の私にとっては、こけしは一家に1体というほどなじみ深いものです。なんとも懐かしく、勢い余って「こけしクイズ」なるものもやってしまいました。今、若い女性を中心に第三次こけしブームが訪れているそうなんです。先日まで渋谷のPARCOでもこけし展が開催されて動員数は数万人だったとか。じわじわとこけしブームの波が感じられます。
たしかに、あらためてこけしの顔をじーっと見てみると、表情も、さびしげなものから愛くるしい表情のものまで、どれ一つとして同じものはなく、ポップだったりカラフルだったり昔ながらの素朴なたたずまいもあいまって、不思議な愛着が湧いてきます。
こけしにはさまざまな種類がありますが、こけしの産地には温泉ありなどともいわれていて、例えば鳴子こけし発祥の地、鳴子には鳴子温泉というすてきな美肌の湯があります。1体のこけしから浮かぶストーリーは、産地から作り手の思いまで、まるでそれは果てしないこけしファンタジーの世界です。
また、ロシアのマトリョーシカはこけしがルーツだともいわれています。鎌倉・長谷にある「コケーシカ鎌倉」(こけし×マトリョーシカ)では、お店のなか一面に素朴なこけしとカラフルなマトリョーシカが並び、なんともメルヘンチックな空間です。平日の昼間だというのにたくさんの女性客がこけしをしげしげと眺めにきていました(ちなみにお店の方の髪型もこけしカットでした…)。殺風景でシンプルなお部屋に1体大きなこけしを置くもよし、複数のこけしを並べてもよし、お部屋のインテリアに迷っているという方がいたら、1度、めくるめくこけしの世界の扉を開いてみるのもよいかもしれませんね。