roomie編集部とライターによる、自宅GWを楽しく過ごすアイテム紹介シリーズ「いえなかGW満喫」。たまには「家族」について考えてみよう、ということで今回は編集部中島が「GWにオススメする、家族をテーマにした作品3選」をお送ります。
ボロボロの黄色いミニバス・ワーゲンでおなじみの一家の物語です。「勝ち組」になることに異様な執着をみせる父親、失恋して自殺未遂を起こしたばかりのゲイの叔父、ヘロインとポルノ中毒の祖父、パイロットを夢見ながらニーチェに倣い沈黙の誓いを行う長男、ダンスの猛特訓を続ける7歳の長女、そんな家族を必死にまとめる母。長女オリーブのダンスコンテスト出場のために一家総出でカリフォルニアに向かう道中でドラマが次々に起こります。
ちぐはぐなメンバーそれぞれが直面する困難に、家族でどう向かい合っていくのか。笑いの要素もしっかり押さえ、エンディングでは少しうるっとくるさわやかな仕上がりになっています。
カリフォルニアに暮らすレズビアンカップルと二人の子供たちの物語。ある日子供たちが、ふたりの母親に精子を提供した男性、つまり父親の存在に興味を持ち会いに行きます。父親ポールの自然体な生きざまに一家が魅かれていくと同時に既存の家族4人の枠組みが少しずつ歪んでいく様子が見事に描かれています。ポールが経営するレストランや家族で囲む食卓など、食事のシーンがとてもキレイで印象的でした。
家族の絆は必ずしも絶対的なものではありません。レズビアンカップルという社会的弱者とされる二人が必死に絆を守ろうと苦悩する様子から、家族は作り、そして維持していくものなのだ、と実感させられます。とはいえ、カリフォルニアのさわやかな風景も手伝い、ライトに楽しめる一本です。