

●和西小牧
精進料理研究家。
鎌倉で生まれ育ち、家はお寺を営む。両親ともに有名な精進料理の研究家。
幼い頃から自然に精進料理に親しみ、自らも野菜の力と美味しさを、若い世代にもより広く知って欲しいという思いから、ケータリングやイベントなどで、バラエティに富んだ精進料理を披露している。料理教室も企画中。
気軽に実践できる
和西小牧さんの精進入門
小牧さんの教えてくれる精進料理は、とっても身近で、
カフェにあったらうれしいようなモダンなもの。
気軽に挑戦できる精進レシピと
精進のココロを味方につけて、
ひと手間かけた料理を作ってみませんか?
早起きして市場に出かけるもよし、
戸棚の奥に仕舞い込んだおばあちゃんの代からの
古道具を引っ張り出すもよし。
背筋をシャンと正して料理を楽しみながら作ることが、
精進の味とココロにつながります。
文/吉田美樹子 写真/安藤公 監修/和西小牧
カラダにやさしいお粥ディナー

【お品書き】
・梅粥
・小カブの利休煮
ブロッコリーとカリフラワーのピーナッツ和え
・切り干し大根の柚香和え
・小豆の塩煮
体調があまりよくないときや、前日食べ過ぎて胃がもたれているときなど、無性にお粥を食べたくなりますね。お粥は消化もよく、体に優しい食べ物です。
お粥には昔から言い伝えられている「十徳」があるので、ここで紹介しておきます。

一 肌つやがよくなる
二 体力のもとになる
三 寿命を延ばす
四 食べ過ぎず、胃への負担がない
五 頭の働きがよくなり、舌が流暢になる

六 胸にもたれない
七 風邪をひかない
八 空腹を満たす
九 のどの渇きを癒す
十 お通じがよくなる
このような知識を知っているだけで、見慣れたメニューをより身近に大切に思うことができるはずです。
![]() 梅粥 2. 梅干を種からはずしてたたいておく。 3. 1が炊き上がったら2を入れて軽く混ぜ、 |
![]() 二十日大根ともってのほかのおろし和え 2. カブを半分に切り、1で煮る。 3. カブが柔らかくなったら 4. ゴマを擂り3に入れる。 |
カフェ風精進ランチ

【お品書き】
・黒ごましょうがご飯
・二十日大根ともってのほかのおろし和え
・里芋の黒胡椒揚げ
・さつまいものプルーン煮
お寺では台所仕事も修行のひとつとされています。大地の恵みに感謝しながら丁寧に調理していく過程そのものが、精進のココロに通ずると考えられているのです。そしてそのココロは、現代の生活にもぜひ取り入れたいもの。小牧さんは、「食事を作る時間を楽しみながら、旬の食材のパワーをしっかりいただきましょう」と提案します。

「たとえば、スーパーの野菜売り場で一年中見かける根菜は、主に秋から冬が旬です。ごぼうなどの根菜には体を温める作用があり、寒い季節にたくさん食べることで体が温まり、冷え性などの改善になるのです。そういうことを知っているだけでも、ちょっと得をした気持ちになりませんか?」
と小牧さん。

根菜には体を温める作用があるので、秋から春先の料理には欠かせない食材です。
また、忙しい毎日を送っていると、どうしても食事の支度にかける時間を短縮しがちです。毎日手をかけた料理は作れないけれども、週末ぐらいは朝から農協市場に出かけて旬の食材を仕入れ、じっくりだしを取って、野菜をコトコト煮るという作業をするのもいいものです。
もうひとつ、精進のココロに通じるものに、無駄をしないということがあげられます。”一物全体”という言葉のとおり、食べ物は丸ごといただくのが基本です。皮は炒め物に、葉っぱはさっと湯がいて味噌汁の具に。最近、流行の”もったいない”という言葉は、まさに精進のココロそのものですね。
![]() 黒ゴマしょうがご飯 2. 米を炊いている間にしょうがを摩りおろし、 3. 炊き上がったらすぐしょうがの絞り汁と |
![]() 二十日大根ともってのほかのおろし和え 2. もってのほかはがくから花びらをはずしておく。 3. ひとつまみの塩を入れた湯で 4. 3のゆで汁で青菜をゆで、絞ってから 5. 大根をおろし、すぐに柑橘の絞り汁または酢を入れておく。 6. 二十日大根、もってのほか、青菜を、醤油で好みの味付けにした |
精進のココロ
どこでもゆとりの一服ができる 癒しのお茶セット

忙しく時間に追われてしまうときこそ、ゆったりとしたココロを取り戻したいもの。私は出張や旅に出るとき、必ずこのお茶セットを持って歩きます。そして、ほんの少しでも時間があいたら、どこか静かな場所を探してお茶をたてます。
心を落ち着かせ、無心になってお茶をたてることで、それまで慌しく動きまわっていたココロと体をリセットすることができるのです。豊かな気持ちになれるお手軽な癒しの習慣です。
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