床と天井がカーブすれば、地下でも快適 #かしこい都会の家

どうしても面積に余裕がない都会の家。その解決策としてよく用いられるのが、地下室です。

地上のみで建てる場合と違い、地下室は本来の容積率(敷地面積に対する、建物の床面積の合計)に緩和が入るため、広い面積で建てることが可能になります。ですが、地下室にマイナスイメージがある人も、多いのではないでしょうか。

湿気がこもる。太陽が当たらない。地下室といえば閉鎖的な印象で、つくったとしても水回りだけにしたり、物置にするのが一般的。

そんな、住環境としてあまりいい印象がない地下室を、地上階と同じくらい快適な住環境にすることは、できないものでしょうか?

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それを実現した住宅、横浜で発見してしまいました。

保坂猛 建築都市設計事務所による「屏風ヶ浦の家」。土地の面積は60㎡、ご夫婦とふたりのお子さんのための小さな住宅です。

一見、普通の地上3階建てに見えますが……。ん? 窓から見えるコンクリートはなんでしょう?

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実はこれ、地上2階地下1階建ての住宅なんです。地下室を含めた3階とも同じ階高で、東西両面に大きな窓をもうけています。

断面を切ってみると……確かに1階はほぼ地下に埋まっているのですが、窓部分の天井が大きく反っていることで、上階と同じように、室内に明かりと風を取り込めているんです。

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床が、見たこともないほどのカーブを描いています……。画家、サルバドール・ダリの描く時計のようなぐんにゃり具合。

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床の色が明るいため光が室内に反射しやすい上、向かい合う大きな窓から風が通り抜けやすい設計なんです。

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上の階にいくほど天井の湾曲はゆるやかになり、2階までくれば胸より下くらいに。せり上がった床(天井)があることで、通りを歩く人の視線をうまくかわしています。

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ぐんにゃりな壁と天井により、地下室の問題である通風・採光をうまく解決した、まさに都会にこそ必要なグッドアイデアです。

屏風ヶ浦の家[保坂猛 建築都市設計事務所

Photograghed by KOJI FUJII / Nacasa&Pertners Inc.

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デザイン事務所、外資系メーカーを経て、現在建築事務所で建築のデザインに従事。傍ら、個人でもデザイナー、ライターとして活動中。車・靴・カメラ・ガジェットが大好物。執筆記事一覧はこちら

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