「ある日、わたしの実家のミニチュアがプレゼントされたんです」

離れて気づく「実家」の良さ。

上京して働く社会人にとって、できれば半年に1回ぐらいは実家に帰りたいもの。しかし、遠方に実家がある場合は1年に1回でもいいほうかもしれない。

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今年のお盆は、仕事が忙しいので実家には帰らないつもりです。

そう話してくれたのは、今年2月からルーミー編集部に配属となった川島だ。

彼女の出身地は福岡県糸島市。東京から1000km以上離れた小さな街に、彼女が22歳まで住んでいた実家がある。


すべては「川島の一言」から始まった

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え、実家に帰りたいか? そりゃ帰りたくないって言ったら噓になりますが…。でも、この夏はかなり忙しいから、私ばかり無理は言えないです。

新しい編集部に配属されて半年あまり。川島も慣れない環境のなか、不安と緊張の連続だったはず。できることなら実家に帰って、母親の手料理を食べながらリラックスしたいところだろう。

そんな川島のために、編集部はささやかなプレゼントを思いついた。本当は福岡行きのチケットをあげたいところだが、予算の関係上、それは却下となってしまった。

では、何をプレゼントしたのか?

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実家である。

誰にとっても家族と共に過ごした家は、癒しと安心を与える究極のパワースポットである。上京した者にとって、実家とは「心のふるさと」そのものなのだ。

思い出の詰まった実家を「ミニチュア」にしてプレゼントしよう。

この一声で、今回のプレゼント企画が始動することになった。

しかし、問題は誰が「川島の実家」を制作するかである。編集部は東急ハンズが運営する「ハンズ・ギャラリー マーケット」の中にその答えを探した。

ハンズ・ギャラリー マーケットとは、個人が手づくりの雑貨や工芸品を出展できるサイト。後述するが、細かいカスタムオーダーに対応してくれるのが最大の特長である。そして、ここに登録しているジオラマ作家が「川島の実家」を制作してくれることになった。

川島の喜ぶ顔がみたい。

それだけで動き出したルーミー編集部のサプライズ企画。その一部始終をご覧いただきたい。


実家の情報を集める

今回、制作を依頼したのは模型製作を行う「ぜんべい工房」さん。制作にあたって必要なものを質問したところ、

建物の4面がわかる写真や図面がないと制作は難しい。

との返答があった。

このプロジェクトは川島に秘密のままで進めなければ意味がない。編集部が福岡まで行って実家の調査をしてもいいのだが、それができるなら川島を福岡に連れて行くほうがいいに決まってる。そうなると元も子もない話だ。

そんなわけで、編集部は実家に住んでいる川島のご両親に電話をすることにした。

「ルーミー編集部ですが、川島さんのお宅でしょうか?」
「え? あ、そうですが…」
「突然で申し訳ないのですが、川島さんのために、家の外観を写真で送ってくれませんか?」
「……は?」

ここだけ見ると、ほとんどオレオレ詐欺ばりの正面突破である。気を取り直し、時間をかけて細かい主旨を説明。最終的にはノリノリで協力していただいた。ご両親には心から感謝したい。

こうして手に入れた写真と図面がこちらである。

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デカい…。

思った以上のお屋敷感に驚く編集部。地方ではこれが普通サイズなのか? それとも川島の実家は豪農なのか…?


ジオラマ制作がスタート!

とにかく、これで制作に着手できる。ハンズ・ギャラリー マーケットは、サイト上で作家と直接やり取りできるシステムがある。カスタムオーダーの細かい確認作業はここで管理できるのだ。

実家の写真を送った翌日、ぜんべい工房さんからラフスケッチが送られてきた。

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先方からは「こちらでいかがでしょう?」と確認が入ったが、こちらも川島の実家を見たことがない。何が正しくて、何が間違っているかは、川島以外わからないのだ。編集部はどう返信するべきか迷った。

そのとき、先日取材した某社長の言葉を思い出した。

仕事を任せるときって、あれこれ口出ししない方が結果的には上手くいくよね。彼らを信頼して、仕事を手放すことが重要なの。

僕のやるべき仕事は誰を選ぶかであって、その人の仕事に口出しすることじゃないから。

まったくその通りだ。細かいことに口出しをしていてはいい結果は生まれない。プロの目と技術を信じよう。編集部は「そのまま進めてください」と返信した。

すると、ぜんべい工房さんからまた連絡が来た。

お庭を冬景色にもできますけど?

なんと季節を設定することができるらしい。

冬景色も情緒があっていい気がする。しかし、真夏のクソ暑いときに雪化粧をまとった実家をプレゼント…。少し要素が多すぎる気がしなくもない。苦渋の選択の末、「今の季節にする」という答えで落ち着いた。

それから二日後。ぜんべい工房さんからラフ模型の写真が送られてきた。

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書き起こした図面に狂いがないか、まずはケント紙で模型をつくるそうだ。なにやら専門的な数字が紙に書かれている。素人には皆目見当がつかないが、プロの頭の中を覗かせてもらっているようで面白い。

何度も言うようだが、実物を見たことがないため正しいかどうかはよくわからない。


ついに実家が完成!

そして、さらに二週間が経過したある日。

ご注文のジオラマが完成いたしました。

ついに「川島の実家」が完成したのだ。早速、完成した実家をご覧いただこう。

以下が糸島市にある川島の実家である。

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15cm角のボックスの上に、文句無しに川島家が再現されている。Nゲージの鉄道模型にもマッチするように1/150スケールで作成してもらった。

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この手作り感がたまらない。色も写真のイメージとそっくりである。

しかも、部屋の内部には電球が仕込まれていた。

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実家の窓から漏れるやわらかな光。台所からはカレーの香りがしてきそうな完成度である。

それにしても、ピンクの照明は何の部屋なのだろう…。


実家をプレゼントされた川島は…

8月某日。編集部は川島を会議室に呼び出した。

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突然、こんなところで何の用ですか?

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え…何ですか、これ?

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これって、まさか…。

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私の…実家?

怪訝な表情になる川島。

いくら実家に帰りたいといっても、突然目の前に「実家のミニチュア」が出てきたら、嬉しいどころか不審に思うようだ。

状況によっては恐怖体験になってもおかしくない。

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川島には、ここにいたるまでの事情を説明した。理解してくれるまで少し時間はかかったが、川島の不安な表情は少しずつ和らいでいった。

そういうことだったんですね(笑)。少し驚きましたが、こうやって見るとかなり嬉しいです。いやぁ、良くできてますよ。私の部屋もあるし、おばあちゃんの部屋も。

実家を上から見るなんて初めてだから、すごく不思議な気分です。

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二階の角が川島の部屋らしい

この家は父親が小学生ぐらいのときから住んでいる家で、もともと平屋だったんです。私が10歳ぐらいのときに2階建てにしたんですが、すごく愛着のある家ですね。

私、昔から高いところが好きなんですが、この庭にある木に登ってはよく怒られてました(笑)。

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登った木も再現されていた

いきいきと実家での思い出話がでてくる川島。話を聞いているだけで、優しそうな家族がいまにもミニチュアの中から登場してきそうだ。

そうだ。彼女の次の誕生日には、1/150サイズで作った両親のフィギュアをプレゼントしよう。玄関前に設置すればより臨場感も増すことだろう。

今から誕生日が楽しみである。


カスタムオーダーで世界にひとつだけのアイテムを

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今回利用したハンズ・ギャラリー マーケットは、プロ・アマ含めて4,000人以上の作家が登録し、それぞれが多彩な手づくり品を出品・販売している通販サイトだ。

味わいのある手づくり作品、4万点以上が並び、自由度の高いカスタムオーダーができるのが大きな特長である。

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作家とやり取りをしながら作る、世界にひとつだけのオリジナルアイテム。愛着がわかない訳がない。

あなたも大切な人に、世界でたったひとつの”手作り”作品を贈ってみてはいかがだろう。

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今年の夏はいつもより忙しいんです。でも、実家の明かりを見ているともう少しがんばれそうな気がします。

デスクに実家を置いたまま、夜遅くまで仕事に励む川島。彼女の熱い夏は、もうしばらく続きそうだ。

Hands Gallery Market

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